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2026年度都市計画研究室(泉山ゼミ)学部4年生のおすすめの本紹介

2026.06.01

はじめに

 都市計画研究室(泉山ゼミ)では、多様な研究テーマに取り組んでおり、幅広いジャンルの書籍が揃っています。
 2026年度6月号のマガジン記事では、現在卒業論文に取り組んでいる、各ユニットの学部4年生(以下、B4)が、それぞれの研究テーマと関連するおすすめの本を紹介します!都市計画の奥深さに触れるきっかけとなれば幸いです。
※それぞれのタイトルからAmazonページに飛べますので、ご利用ください。



1.安達慶・近藤良樹
『プレイスメイキング・ハンドブック: パブリックスペースを魅力的に変える方法』Project for Public Space

安達慶・近藤良樹


◆本の内容は?

 広場や公園、駅前空間等のパブリックスペースを、人が集まり滞在する「拠点」として、どのように作るのかをまとめた本となっています。事例を中心にベンチや飲食、イベント等が空間の使われ方に与える影響について紹介されています。また、利用者の行動観察やワークショップ等、プレイスメイキングの進め方についても解説されており、理論だけでなく実践的な内容も多いです。

※ プレイスメイキングとは、都市生活を豊かにするための都市デザインの手法です。単に物理的な空間をつくることではなく、人々の多様なアクティビティの生まれる「プレイス」=「居場所」をつくることを目的としています。


◆おすすめの理由は?

 本書では、プレイスをつくる上で、単にハードをデザインするだけでなく、人の行動や活動を重視する点が印象に残りました。特に、少しの工夫で空間の使われ方が変化する事例や空間を観察する方法等が紹介されており、研究を進める上で参考になりました。プレイスメイキングに興味のある方におすすめしたい本です。

・タイトル:プレイスメイキング・ハンドブック: パブリックスペースを魅力的に変える方法
・著者  :Project for Public Space
・訳、解説:泉山塁威、田村康一朗、一般社団法人ソトノバ
・訳   :秋元友里、小仲久仁香、田邊優里子、原田爽一郎
・出版社 :学芸出版社
・発売日 :2025年3月1日
・ジャンル:プレイスメイキング


2.小川悠汰・廣田大悟
『都市と路上の再編集』徳谷柿次郎

小川悠汰・廣田大悟


◆本の内容は?

 15組の建築家や事業者へのインタビューを通して、都市開発を行う人と現場で働く人、両者の意見を整理し、新たなまちづくり、再開発を提案しています。商店街再生や地方再生、エリアマネジメント等の様々なテーマから、現代の都市がどうあるべきかを考えさせられる本になります。

◆おすすめの理由は?

 本書は、都市やまちづくりを他人ゴトではなく、自分ゴトとして捉えられるようになる点がおすすめです。理論中心ではなく、現場で活動する人々の具体的な経験や試行錯誤が紹介されています。都市との関わり方をリアルにイメージすることができ、ビジネスとカルチャー、行政と個人といった対立を前提とせず、それらを柔軟に掛け合わせる視点を学べるのも魅力で、日常の風景や都市の見え方に新たな発見が生まれる点がおすすめです。

・タイトル:都市と路上の再編集
・著者  :徳谷柿次郎
・出版社 :風旅出版
・発売日 :2025年7月1日
・ジャンル:都市開発、ストリート


3.小澤康大・加藤千太
『パブリックコミュニティ居心地の良い世界の公共空間[8つのレシピ]』三井不動産株式会社S&E総合研究所


◆本の内容は?

 世界各地のパブリックスペースの事例をもとに、人々が自然と集まり、同じ空間を共有するコミュニティ(パブリックコミュニティ)を生み出す要素を、8つの視点から整理しています。パブリックスペースの空間デザインだけでなく、運営方法や地域との関係性等にも着目しており、公共空間をコミュニティ形成の場として機能させるための実践的なヒントを示しています。

◆おすすめの理由は?

 本書は、パブリックスペースにおける、人々の滞在や交流を生む方法について、海外の実例と共に、分かりやすく説明しており、パブリックスペースの魅力を多く学ぶことができます。特に、海外のパブリックスペースは日本とはまた違った利用がされており、「パブリックスペースで生まれる人々のコミュニティ」=「パブリックコミュニティ」を学ぶことができます。パブリックスペースに興味があり、海外ではどのようなパブリックスペース活用が展開されているのかを知りたい方におすすめします。

・タイトル:パブリックコミュニティ居心地の良い世界の公共空間[8つのレシピ]
・著者  :三井不動産株式会社S&E総合研究所
・出版社 :宣伝会議
・発売日 :2020年3月31日
・ジャンル:パブリックスペース


4.齊藤大朕・蔦翔貴
『世界に学ぶ自転車都市のつくりかた』宮田浩介 ほか

齊藤大朕・蔦翔貴


◆本の内容は?

 本書は、2部構成で自転車都市について紹介しています。第1部では、コペンハーゲンやオランダ、ニューヨークなど世界の先進事例を、ニーズ・デザイン・都市戦略の3つの視点から詳細に分析しています。第2部では、日本国内で先駆的な取り組みを行う滋賀県に焦点を当て、どのような施策を実施しているのか記されております。最終的に、日本で自転車利用をさらに発展させるために必要な5つの観点を提唱しています。

◆おすすめの理由は?

 本書をおすすめする理由は、自転車の取り組みが発展している国の成功事例を紐解いており、単なる事例紹介に留まらない点です。道路交通法改正により自転車専用道路への注目が集まる中、どのような道路整備が望ましいのかを考えることができます。これからの「歩行者と自転車が共存するまちづくり」について、知見を得られる点がおすすめです。

・タイトル:世界に学ぶ自転車都市のつくりかた
・著者  :宮田浩介、小畑和香子、南村多津恵、早川洋平
・出版社 :学芸出版社
・発売日 :2023年11月8日
・ジャンル:自転車、ストリート


5. 佐藤未空・LI LIU
『都市を変える水辺アクション』泉英明  ほか

LI LIU・佐藤未空


◆本の内容は?

 本書は、活用が困難とされている水辺空間を「分断された場所」から人が集い楽しむ公共空間へと再生する方法を示した実践ガイドです。具体的には、段階的な社会実験や市民参加を通じて、水辺を育てていくプロセスが重要とされています。さらに、行政の整備だけでなく、個人の「楽しい」という感情が起点として、共感を広げながら都市全体へ影響を与えます。水辺は小規模な実践の積み重ねによって価値を高め、都市を変える力を持つ場であると述べられています。

◆おすすめの理由は?

 本書は、水辺という身近な空間を通じて都市を変える実践的なアクションを学べる点が魅力です。単なる理論ではなく、社会実験や市民参加等の実践的な事例が豊富に紹介されており、水辺のまちづくりのプロセスをリアルに理解できます。都市デザインや水辺に関心がある人にとって、まちづくりの手法と視点の両面から学べる点が、本書をおすすめできる点です。

・タイトル:都市を変える水辺アクション
・著者  :泉英明、嘉名光市、武田重昭
・出版社 :学芸出版社
・発売日 :2015年10月17日
・ジャンル:プレイスメイキング、社会実験、水辺空間


6.中村颯杜・永田寛人
『駅再生 スペースデザインの可能性』鹿島出版会

中村颯杜・永田寛人


◆本の内容は?

 本書では、駅舎とホームの配置構成から駅空間を類型化し、その特徴や歴史的変遷、周辺市街地との関わりを解き明かしています。鉄道によるまちの分断を解消する自由通路や、駅前広場の進化、駅とまちを一体化するためのプロセスが述べられています。こうした駅空間の特性と歴史的背景の把握こそが、次世代の駅づくりへの鍵であると説明しています。

◆おすすめの理由は?

 本書は、駅空間の類型化やその特徴、歴史的変遷から、街の分断を解消する近年の取り組みまで学べる点がおすすめです。単なる駅の分類に留まらず、歴史的・機能的・空間的側面から駅の特徴を整理しているため、体系的に理解できるのが大きな特徴です。普段何気なく利用している駅を起点に、まちの未来や公共空間のあり方を深く考えさせてくれる一冊として、まちづくりに関心があるすべての人におすすめします。

・タイトル:駅再生 スペースデザインの可能性
・著者  :鹿島出版会
・出版社 :鹿島出版会
・発売日 :2002年11月30日第1刷発行、2010年第5刷発行
・ジャンル:駅前広場、駅空間



おわりに

 各ユニットのB4が紹介したおすすめの本はいかがでしたか。
 おすすめの本紹介から、都市計画が単なる空間の整備だけでなく、広場やストリート、水辺、駅等の活用等を通じて、人々の行動や地域コミュニティの形成にも深く関わっていることが分かりました。また、本を読むことで、幅広い知識を身に着け、都市を見る視点をより多角的にできることを改めて実感しました。
 どの本も、都市について学ぶ上で参考になるので、都市計画に興味がある方や、次に読む本を探している方は、ぜひ一度手に取ってみてください。きっと新たな発見があるはずです!

                                      文責:小澤康大、加藤千太

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