MAGAZINE
都市計画研究室(泉山ゼミ)のゼミ生に聞く!「専門アルバイト」での学びと経験

はじめに
2026年度8月号マガジンでは、都市計画研究室(泉山ゼミ)に所属し、「専門アルバイト」を行っているゼミ生4名にお集まりいただき、座談会を開催しました。
「専門アルバイト」とは、一般的な接客や軽作業ではなく、都市計画コンサルタントやシンクタンク、都市開発部門など、専門分野に関する業務に携わるアルバイトを指します。
今回は専門アルバイトをしているゼミ生のうち、博士前期課程2年生(以下、M2)の原田夏実さん、博士前期課程1年生(以下、M1)の清水とおるさん、稲盛大翔さん、柚﨑廉太朗さんの計4名と、司会のマガジン係(加藤千太、齊藤大朕)が参加しました。
現在の専門アルバイトについて
まずは、現在どのような専門アルバイトをされているのかをお伺いしました。

(原田)私は、パブリックスペースコンサルタントでアルバイトとして働いています。駅前広場や公園、道路といった、パブリックスペースの調査、計画立案や設計提案を行う会社です。調査、計画立案に留まらず、ファニチャーの設計やランドスケープデザインなどデザイン業務まで扱う点が、この会社の特徴だと考えています。
アルバイトでは、社会実験のサポートや、リサーチした内容をPowerPointにまとめる作業を担当しています。模型作業にも携わっており、その点は他の専門アルバイトとは異なる部分かもしれません。
(清水)私は、都市計画コンサルタントでアルバイトとして働いています。国や自治体からの依頼を受けて、まちの将来計画づくりから、災害からの復興、地域交通や地場産業の立て直しまでを調査・計画する会社です。
アルバイトでは、上位計画の資料作成や事例リサーチ等、業務のサポートを担当しています。
(稲盛)私は、ゼネコンの都市開発部で働いています。建設会社として、特に大規模な複合施設や再開発を企画・計画する部門です。
アルバイトでは、事例リサーチや資料作成等を担当しています。PowerPointやExcelでまとめる作業が中心ですね。
(柚﨑)私は、エリアマネジメントコンサルタントと、パブリックスペースコンサルタントの2種類の専門アルバイトを掛け持ちしています。
エリアマネジメントコンサルタントでは、担当する地域の情報発信を通して、エリアマネジメント業務のお手伝いをしています。日頃の情報発信だけでなく、担当する地域のイベントに実際に参加することで、運営のお手伝いやイベントレポートの執筆など、幅広い業務に関わることができています。
パブリックスペースコンサルタントでは、自分がエリアマネジメントを研究していることもあり、2026年に「エリアマネジメントアカデミー」というプログラムの企画・運営のお手伝いをしています。また、私は、専門アルバイトを始めたばかりなので、経験はないですが、秋には社会実験やワークショップのお手伝いもあります!
【他の方の話を聞いて】
(原田)ゼネコンの業務内容は、詳しく知りませんでした。稲盛さんは、どのようなリサーチをされているのですか。
(稲盛)各種都市開発事業の事例リサーチを通じて、各提案の流行・傾向を見出したり、事業性を検証したりすることもあります。
(原田)同じ「リサーチ」でも、内容が異なりますね。私のリサーチは、対象の地域の情報をまとめたり、類似する事例を集めるものが中心です。
(齊藤)週に何日ほど勤務されていますか?また、飲食店等の一般的なアルバイトとの違いがあるか、お伺いしたいです。
(原田)時期によりますが、基本的には週1回勤務しています。
(稲盛)一般的なアルバイトと異なり、資料の整理のような作業でも学びがありますよ。私は、行政への提出資料をまとめた経験から、事業をいかにして実現しているかを細かいところから肌で学ぶことができました。
専門アルバイトを始めたきっかけと目的について
続いて、なぜその専門アルバイトの業種を選んだのかをお伺いしました。

(原田)私は、もともと就職先として都市計画コンサルタントを考えていました。「実際に働いて業務内容を知りたかった」というのが一番の理由です。
(清水)私は、もともと専門アルバイトを始めたいと考えており、そのようなときに先輩から誘っていただいたことがきっかけです。特に、都市計画コンサルタントに就職したいと考えていたため、会社の雰囲気や業務内容を知ることを目的に始めました。
(稲盛)私は、ゼネコンの都市開発部に興味があり、その業務の実態を知ることを目的に、先生からご紹介いただきました。
(柚﨑)私は2種類の専門アルバイトを掛け持ちしているので、それぞれ理由が違います。エリアマネジメントコンサルタントは、自身の研究内容と近いことに加え、都市計画研究室(泉山ゼミ)の先輩がかつてアルバイトをしていたこともあり、そのつながりから興味を持ちました。パブリックスペースコンサルタントは、稲盛さんと同じく、先生からご紹介をいただいたことがきっかけです。
(稲盛)目的は、皆さん同じですね。実際の業務内容を知りたい、という点で共通していると思います。
(原田)私は、専門アルバイトに応募するにあたって、多くの企業を調べました。実際に専門アルバイトに行っている先輩の話を聞いたりして、現在の専門アルバイトに決めました。就きたい業種が明確だと、探しやすいと思います。
【他の方の話を聞いて】
(齊藤)専門アルバイトは、いつ頃から始めましたか?
(原田)私は、学部4年生(以下、B4)の4月頃です。応募の際には、ポートフォリオを提出しましたね。
(清水)私は、B4の10月頃です。ポートフォリオの提出はあまり聞かないですね。自身の専門アルバイト先も、提出はありませんでした。
(稲盛)私は、先生に「働きたいです」と希望を伝え、紹介していただき、B4の9月頃から働き始めました。過去に応募したランドスケープ系の専門アルバイトでは、ポートフォリオが必要でしたね。
(柚﨑)私は少し遅くて、エリアマネジメントコンサルタントは、M1の4月頃、パブリックスペースコンサルタントは、M1の6月頃に始めました。
ゼミとのつながり、成長と課題について
ゼミでの学びや研究テーマと業務のつながり、そして専門アルバイトの経験を通じて感じた成長と課題について、お伺いしました。

(原田)扱っている研究やプロジェクトの内容に近い業務が多いと感じています。リサーチを通じて、自分の研究テーマとは違う分野を学べるので、その点は専門アルバイトだからこその学びだと思います。
一方で、アルバイトを通じて、自分の作業スピードの遅さを課題に感じました。限られた時間内にタスクをこなす中で、社員の方と認識のズレを生まないためにも、報告・連絡・相談がいかに大事かを実感しました。それを徹底したことで、遠回りせず時間内に終わらせられるようになったことが成長した点です。
(清水)私は、自身の研究と直接的な関連性はありませんが、それが逆に、ゼミではあまり触れないことを学べているのだと考えています。行政が関わる公共空間やまちづくりのプロセス等を学ぶことができました。
一方で、携わらせていただくプロジェクトごとに異なる背景があるにもかかわらず、それを十分に理解しないまま作業を進めてしまい、リサーチの方向性がずれてしまった日があったことが課題です。どのような調査であっても、その目的を意識することが重要だと実感しました。
(稲盛)私は、建築設計IV(都市開発系)で活かせるリサーチの方法や提案書の作り方を学ぶことができたので、もっと早い段階からこの経験を積み、設計課題に活かせばよかったと感じました。また、課題は、業務を進める中で、相手の期待に応えられているのか心配になり、自信を持てなかったことです。
(柚﨑)私は、同じコンサルタントであっても、企業ごとに業務内容が異なることを実感しました。エリアマネジメントコンサルタントでは、大規模施設の公開空地活用を中心に、エリアマネジメント活動を展開する際の現場の空気感を学ぶことができています。また、その施設周辺の魅力について、SNSを通してどのような発信を行っているのかを知ることができています。
パブリックスペースコンサルタントでは、2026年に始まったプログラムの企画・運営のお手伝いをしています。各地のエリアマネジメントの第一線で活躍する方々のそばで働けることは、自分にとって大きな学びであり、刺激にもなっています。
一方で、実際に働いている方とのコミュニケーション能力の差も実感しました。エリアマネジメントコンサルタントで働く方々が、自ら運営するイベントのレポートを執筆するため、初対面の相手とも積極的に話す姿を見て、自身との差を痛感しました。また、実際にまちづくりの現場で働く方々と一緒に、複数の業務を同時に進めていく上で、自分のキャパシティがまだまだ足りていないと感じました。
専門アルバイトを始めようとしている方へのメッセージ
最後に、これから始めようと考えている方へのアドバイスをお伺いしました。

(齊藤)専門アルバイトは、いつ頃から始めるのがよいのでしょうか?研究活動や就職活動との両立という点も含めて、お伺いしたいです。
(稲盛)私たちM1の代は、B4の後半から始めた人が多かったです。ただ、就職活動が始まると専門アルバイトに行く時間を確保することが難しくなり、就職先の内定をいただいたら退職が必要な場合もあるため、その点は考慮した方がよいと思います。
(柚﨑)特に、M1だとプロジェクト活動や自身の研究活動、授業もあるので、専門アルバイトを始めるのであれば、B4がベストだと思います。
(清水)専門アルバイトは、経験しておいた方がよいと思います。就職活動の際に、学生時代に力を入れたこととしても伝えられると思います。
(稲盛)実際に、就職活動でもアルバイト(専門的なものに限らない)について記載する欄があるため、そこにより専門的なものを記載できるため、アピールしやすいと思います。また、専門アルバイト先は学業を優先させてくれるところが多いです。
(原田)経験してマイナスになることはないですね。専門アルバイトで学んだことを、ゼミで活かすことも多いです。実際に、企画書などの資料作成は参考にしたことがありますし、資料をどのように組み立てているかを学べるため、自身のスキルアップにつなげることもできました。
(清水)私も、リサーチの項目設定等で参考にしたことがありますね。ゼミで扱う内容が都市計画の全てではないため、B4の今からでも、実際の業務を経験しておくことは大切だと思います。
(柚﨑)懇親会等で外部の方と話す際に、話のネタにもなりました(笑)。
(原田)専門アルバイトを探す際には、ぜひ先生や先輩に相談してください!業務内容や企業についても教えられますので、さまざまな人を頼ると良いと思います。
(稲盛)人のつながりがなければ働けない専門アルバイトもありますからね。
座談会を振り返って
今回の座談会では、ひとくちに「専門アルバイト」といっても、業種によってアルバイトで経験できる業務内容が大きく異なることが分かりました。参加者同士が互いの話に驚く場面も多く、専門アルバイトの多様さを知る機会となりました。
一方で、共通していたのは、実際に働いたからこそ得られたものがある、という点です。ゼミでの学びが実務にどうつながるのかを実感した方もいれば、業種ごとの仕事の進め方の違いを肌で理解した方もいました。専門アルバイトは、都市計画という分野の広がりを知り、ゼミでの学びを別の角度から捉え直す機会になっているようです。
おわりに
ゼミ生の「専門アルバイト」座談会は、いかがでしたでしょうか。
普段のゼミ活動だけでは見えてこない、学外での学びの一端をお伝えできていれば幸いです。参加者の皆さんが「やってマイナスな点はない」と共感していたことからも、専門アルバイトを通して得られる経験の大きさが伝わったのではないでしょうか。
なお、専門アルバイトをいつから始めるべきかは、大学院への進学を目指すか、学部での就職を目指すかによっても異なります。大学院進学を目指す場合は、就職活動で内定をいただいた後は専門アルバイトを続けにくくなるという時間的な制約があるため、その前提を踏まえて始める時期を考える必要があります。一方、学部での就職を目指す場合は、早い段階からトライすることで都市計画に関わる就職につながることもあり、ゼミ配属をまだしていない方も、待たずに始めても良いはずです。ご自身がどちらの進路を考えているかに合わせて、始める時期を検討してみてください。
また、専門アルバイトに興味を持った方は、まずは先生や先輩に話を聞くところから始めてみてください!
最後に、ご協力いただいた原田さん、清水さん、稲盛さん、柚﨑さんに、この場を借りてお礼申し上げます。
文責:加藤千太、齊藤大朕





