PROJECT

#WS04 新得町まちづくりシャレットワークショップ2023ー魅力的で住みやすい新得町の将来ビジョンを考えるー

2023.10.19
WS最終日の集合写真

 2023年8月8日から8月12日までの5日間、新得町商工会議所主催のもと、新得町まちづくりシャレットワークショップが北海道新得町で開催されました。明治大学、日本大学、北海道大学の3大学から17名の学生が集まりました。日大からは久志木ひま梨、五味桃花、菅原悠希、中村佳乃、深津壮の5人の学生が参加し、講師は明治大学の小林正美先生と助手の和歌山公博さん、日本大学の泉山塁威先生、北海道大学の小篠隆生先生の4名にご参加いただきました。

 新得町は東大雪の山々や日高山脈などの美しい自然資源に加え、温泉やアウトドア活動等の観光資源が充実しています。しかし、それらの豊富な観光資源へのアクセス方法や住みやすい町の状況はあまり知られていません。
 同時に、JR新得町駅前には新しい複合施設と温浴施設が計画され、新設される高速道路の出口近辺には「道の駅」が建設される予定です。今回のワークショップでは、町の魅力を再確認し新得町にさらに多くの旅行者や移住者を招くためのビジョンを、以下の4つのエリアを対象としてグループに分かれて提案しました。

提案グループ
A.新得町全体
B.新得町駅中心市街地
C.駅前温浴施設と駅周辺
D.新得町道の駅、スマートインターチェンジ周辺


北海道新得町について学び、人と触れ合う

 1日目(8月8日)は、都市計画研究室(泉山ゼミ)の学生は参加できませんでしたが、北海道新得町の概要についてレクチャーがありました。その後、敷地調査を兼ねた観光地巡りがありました。
 
 新得町は人口5,452人のまちで、北海道の県庁所在地である札幌市から約180km離れ、北海道の十勝地方に所在しています。東大雪の山々と日高山脈などに囲まれ美しい自然に恵まれています。その為、温泉、メロン、乗馬、などの観光資源が豊富な町です。敷地調査を経て、SWOT分析を行い様々な意見を出し合いながら新得町のまちへの理解を深めました。その上で、4つのグループに分かれ提案を行いました。

-プチハプニング-
 実は、今回のシャレットワークショップ中に研究室の学生にプチハプニングが起こりました。
 当初、参加予定だった1日目(8月8日)の敷地見学に飛行機の大幅遅延により参加できませんでした…。新得町のまち全体をゆっくり見ることができなかったのが心残りですが、後日、提案を考える前にそれぞれグループごとに街歩きをし、担当のエリアについてじっくり知ることができました!


発表会(中間発表会・最終発表会)

 8月9日に行われた中間発表では、それぞれのエリアの持つ資源、課題やポテンシャルを考慮した提案を行いました。グループごとにそれぞれのエリアについて提案をしましたが、他エリアと連携した提案の必要性を感じました。
 そして、8月11日に行われた最終発表では、中間発表を経て他グループとの議論や先生とのエスキスを重ねて完成した提案を新得町の役場の皆さん、商工会の皆さんにプレゼンしました。

グループワークの様子
エスキスの様子

 
 都市計画研究室(泉山ゼミ)が関わった4グループの中で、4グループの提案を紹介します。

グループA:温浴施設の提案 ーワーケーションをメインターゲットにー

提案者:菅原悠希(日本大学)・廣田芽生(明治大学)・道野貴光(北海道大学大学院)・杉本匠(北海道大学大学院)

 これまで、有名な観光地を訪れることに観光の大きな意義が見いだされていました。しかし近年では、SNSの発達による情報の多様性によって、自らが何かを「体験」することに観光の意義が見出されています。そこで、私たちは新得町の蕎麦や地酒のような一次産業に近い食や広大な自然を活かした体験を提案しました。観光客の求める「体験」と新得の魅力の関係を整理し、多くの観光客の利用が期待されるとして、❶蕎麦や地酒等の食、❷桜やイルミネーションによる映え、❸ぽっぽの道の活用可能性の3点を要点として提案しました。

提案ボード1枚目(グループA)
提案ボード2枚目(グループA)
提案ボード3枚目(グループA)
提案ボード4枚目(グループA)

グループB:新得町駅中心市街地の活性化 ーパーク&ウォークー

提案者:久志木ひま梨(日本大学)・五味桃花(日本大学)・田畑駿(明治大学)・柳茉奈歩(明治大学)

 新得町では、(1)主な移動手段が車であり、町内で人のにぎわいを感じられない、(2)新たに建設されるスマートICによって観光客の車でのアクセス増加が予想されるという2つの課題を抱えていました。そこで、私たちはパーク&ウォークになぞらえ「車を停めて歩きたくなる仕掛け」を提案しました。
 
 2日目にグループのメンバーでまち歩きを行った際、空家や空地が多いことに気づきました。中心市街地を活性化するため、この空家、空地の活用を考えました。
 空家を長期から短期まで様々な期間での滞在が可能な宿泊施設とすることで、永住や旅行とは異なる「多様な暮らし方」を提案しました。
 また、歩きたくなるきっかけをつくるため、南北に長い街区を分断するように空地や路地を「アートと緑」でつなぎました。これにより、人の身体感覚にあった街区の間隔をつくりました。

提案ボード 表紙(グループB)
提案ボード2枚目(グループB)
提案ボード3枚目(グループC)

グループC:温浴施設の提案 ーワーケーションをメインターゲットにー

提案者:深津壮(日本大学)・石見優太(明治大学)・塩崎未琴(明治大学)・川井智大(北海道大学大学院)

 新得町の駅前にワーカーをターゲットとした温浴宿泊施設をつくる計画が進行していますが、「ただのビジネスホテルになってしまうのでは」「新しい集客の作戦はないのか」といった意見が住民から寄せられました。そこで、私たちはワーケーション(仕事+休暇)をメインターゲットとした働きやすく、休みやすい温浴施設を提案しました。ワーケーションに適した機能を配置するとともに、新得町の住民の生活の一部となる機能の配置及び憩いの場を作り出すことで、ワーケーションに来た方には新得町での生活を知るきっかけができ、いずれ新得町に住んでみたいと思ってもらうことを期待し、設計を進めました。

提案ボード1枚目(グループC)
提案ボード2枚目(グループC)

グループD:行っテミ新得 -散策型道の駅-

提案者:中村佳乃(日本大学)・須藤陽大(明治大学)・王逸函(明治大学)・林拓実(北海道大学大学院)

 道東自動車道を新得スマートインターチェンジから退出したのちのスマートインターチェンジ併設型新得パーキングエリアとして道の駅が検討されています。道の駅の課題として、市街地からの距離があり、地元住民や鉄道利用者を獲得しづらい等の課題があげられました。そこで、道の駅の計画として、私たちは散策型・体験型道の駅を提案しました。
 新得町に関する情報を様々な展示方法でチラ見せし、道の駅での体験だけでなく、実際に新得町へ行きホンモノを体験したいと思ってもらうことが目的です。道の駅ではえりすぐりの物産展、新得町ミニまちあるきなどまちや地元住民と来訪者を結びつける仕掛けがたくさんあります。

提案ボード(グループD)

浜田正利町長から

 「限られた時間のなかで、皆さんよく頑張ってくれました。どの提案も斬新なものばかりで、学生ならではの視点はとても新鮮でした。あとは私たちが限られた時間と予算の中でどれだけ学生のアイデアを生かしていけるかです。」


新得町シャレットワークショップからの学び

 今回のシャレットワークショップで、各班が限られた日程の中で、計画的に進めることの難しさを痛感したと思います。この経験からアウトプットの形を常に考えながら進めていくことが大切であることに、改めて気づくことができました。
 また、この新得町シャレットワークショップの1番の特徴は地元住民や自治体の方々との交流の多さであったと思います。交流の中でまちの魅力や課題を直接お伺いすること、体験することができ、大変貴重な経験でした。
 
 参加したメンバー全員が思考、技術、計画性など多くの成長を感じています。必ずこれからの大学生活やその先へ、今回の経験を活かしていきます!
 明治大学小林先生をはじめ各大学の先生方【小林先生(明治大学)、小篠先生(北海道大学)、泉山先生(日本大学)、和歌山さん(明治大学)】、新得町商工会のみなさん、新得町町役場の職員のみなさん、今回の新得町シャレットワークショップにご尽力いただいたみなさんに感謝申し上げます。

 
 
 
 
 
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