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2024年度研究室活動についての意気込み 泉山先生にインタビュー!

2024.04.15

はじめに

 4月になり新学期が始まりました!
 今回のマガジンでは、都市計画研究室(泉山ゼミ)准教授の泉山塁威先生に2024年度の研究室活動に向けてインタビューを行いました。
 2024年度4月号のマガジン記事では、2024年度の研究室活動に向けて泉山先生のインタビューから研究室のゼミマインドや2024年度の活動や目標、学生に期待することなどを紹介します!


1.ゼミマインドについて

Q.4月に入り、2024年度の活動が始まりましたが、改めて都市計画研究室(泉山ゼミ)のゼミマインドについて教えてください。

A.ゼミマインドは、私が日大に来て1年間研究室をやってみて、ゼミ生と一緒になって活動する中で共通認識が必要だと感じ、言語化したものです。2期生(現M2)が3年生の時(2021年)、ゼミに配属するオープンラボのタイミング(2021年8月)に示し、6項目から成り立っています。

〈出典〉日本大学理工学部建築学科 都市計画研究室泉山ゼミ「ゼミ・マインド」,https://urbandesignplanning.jp/izumiyama/about/

①自ら主体的に、積極的に研究活動に参加する。
 主体的にやるということは、意識的にやらないと難しいことだと思っています。最近ではyoutubeやインスタ等リコメンド機能によって、おすすめされることに慣れてしまっているからこそ、意識的に主体的な行動や積極的に手を上げていくことをしていかないといけないという想いから1つ目のマインドとして挙げています。また、授業は受動的なところがあると思いますが、研究やプロジェクト等の研究室活動は主体的に動いていかなければ成り立たないところがあるため、そういう意味でも1番重要なことなのではないかと思っています。

②自ら考え、他者と議論し、自らの疑問を解消する。
 1番目と関連してきますが、自分で考えるということは基本です。また、都市計画研究室(泉山ゼミ)では、プロジェクトや研究等グループでの活動が多いため、他の人の意見をしっかり聞くこと、議論することをしてほしいと思っています。議論する中で違う意見が出てくることも多くありますが、それがどういうことなのかしっかりディスカッションして意見を戦わせることで、答えを探してほしいです。自らの疑問を解消するということもとても大事なことです。分からないことをそのままにすると置いていかれてしまう。最初は難しいことや専門的なことに対して、分からないことが多いかもしれませんが、どんどん調べたり、質問したりしながら自分の考えをアップデートしていってほしいです。

③常に知的好奇心を持ち最先端の情報を吸収し、問題意識を深める。
 知的好奇心は研究においてとても重要で「知りたい」、「答えを自分で見つけたい」と思うことが研究の原点となると思っています。そうしたときに本や論文、セミナー等いろいろな情報を吸収していくと思いますが、古いものだけではなく最先端の情報をキャッチして、自分の考えや問題意識を深めてほしいということです。そこが研究としても大事だと思います。

④都市の課題は現場にある。研究室プロジェクトに参加し、経験、実践知、コミュニケーション、マネジメントを養う。
 他の分野に比べて都市計画は、現場や実践と紐づいている研究テーマも多く、研究室プロジェクトに参加して経験するようなことも研究に活かせたりします。現場に出て自分の中で都市の課題を見つけてほしいですし、プロジェクトを通して実務経験や実践知、コミュニケーション、マネジメントに取り組んでほしいです。研究室プロジェクトは社会であり、社会人になって考えなければいけないことや、身につけなければいけないことを先取りして経験しているようなところもあり、その分厳しいところもありますが、厳しさも含めて楽しんでもらいたいと思っています。

⑤学会に積極的に参加、発表、論文投稿をし、学外へのアウトプットとディスカッションを積極的に行う。
 理工学部学術講演会や日本都市計画学会、日本建築学会等、様々な学会がありますが、発表をしなくても聞きに行くことで、最先端の研究を知ることができるため、まずはどんどん参加してほしいです。
 発表や論文投稿について、学内で賞を取るだけでは誰にも見られず自己満足で終わってしまいます。学会論文を投稿することで初めて、行政やコンサル等、社会で活躍する人たちが論文を読むことができ、研究が現場の人たちの参考になり、都市の課題に生かされるため、学外へ積極的にアウトプットをしてほしいです。また、学外に発表することで、普段のゼミとは違う外部の人たちから意見をもらうことができ、新たな視点の気づきがあります。積極的なディスカッションによって人脈も広がり研究の質をさらに上げていくことも重要です。そして、個人の名前・クレジットとして、一つ一つ目に見える業績・実績を積み上げていくことでもあります。

⑥都市系は高度かつ広範な専門分野であり、より専門性を高める大学院進学を推奨。
 自分の専門性を高めていくことは重要です。3年生で研究室に配属して1.5年という中では、すぐに都市系の仕事をしたり、都市系で専門性を発揮していくには難しいところがあります。そのため、大学院に進学し、3.5年の中で自分の専門性をしっかり身につけてほしいと思っています。また、ゼミマインドで示す大学院は修士をイメージしていますが、今の日本では博士人材が急速に求められるようになってきていることもあり、ドクター(博士)も歓迎しています。これまでは、博士=先生という認識がありましたが、博士になって活躍できるところも広がってきているので、専門性を示す資格として博士も重要だと思っています。

2.今後の研究室活動について

2-1.研究

Q.2024年度の研究について教えてください。

A.2023年度は、都市計画研究室(泉山ゼミ)になってから初めての修士論文があり、M2、M1、B4、B3という全学年のユニットで卒業論文、修士論文を終え、体制として1つになったと感じています。2023年度は強い意気込みで挑んだ結果、学内の賞への意識が強く、その先の学会に向けて力尽きている様子があるので、2024年度の目標としては、学会論文の審査付き論文を増やしていくことを第一目標とし、通過点として学内の賞(桜建賞)を考えています。
 これらの目標を達成するために2024年度では新たに2つのことを考えています。
 1つ目はOB・OGを呼んだ論文発表会です。2023年度は学内の賞に応募する論文を私が選定しましたが、1年間伴走している論文の中からエントリーする論文を選ぶのは難しく、選びきれませんでした。OB・OGが入ってくれることで客観的な意見をもらうことができ、年末に一度仕上げる期間を設けることで、その後1か月でブラッシュアップしていくこともできることから、新たに取り組んでいこうと考えています。
 2つ目は、研究室会議のやり方の変更です。これまでは月2回の発表形式で行っていましたが、資料作成に時間がかかること等も考慮し、対話の中で問題意識を深めてもらうという時間をつくっていこうと考えています。これを行うことで、自分が研究を離れたときに他の専門性を高めていくこともできるようになってくると思います。

2-2.プロジェクト

Q.2024年度のプロジェクトについて教えてください。

A.研究室でのプロジェクトは2020年に開始し、5年目に突入します。最初は何も分からない状態でスタートし、自由に模索しながら提案していくスタイルでしたが、だんだんと積み上げができてきて、同じような感じになってきています。そのため、積み上げは大事にしつつ、オリジナリティや自由さを持ち、大胆に提案をしていくということをもっとやって良いと思っています。2024年度のプロジェクトは、自分たちから何をやるか提案していかなければいけない環境になっているため、提案しないとプロジェクトがないという学生として危機的状況ですが、それが逆にいい機会になっているのかもしれないと思っています。今までは、なんとなくやることが決まっていて、それに参加するような形で報告書を作成していましたが、これからは自分たちが何をしたくて、何を提案したいのかという企画書をつくっていくこと、都市計画研究室(泉山ゼミ)だからこその提案を意識的に行っていくことが必要になってきます。
 プロジェクトについては、プロジェクト報告会を他の研究室、他の大学と合同で行うことを検討しています。プロジェクトの中身をしっかり共有したり、進化させる会にしていくことで、プロジェクトのナレッジを議論していけるのではないかと思っています。
 最後に、プロジェクトも学会発表をしています。これまでは卒論の練習もかねて学会に出していましたが、現在は停滞しているところがあるため、成果を学会に出すということをマストとしてやっていきたいと思っています。

2024年度都市計画研究室(泉山ゼミ)ゼミ生集合写真

3.学生に期待すること

Q.2024年度、ゼミ生に期待することを教えてください。

A.4年生には難しいかもしれませんが、大学院までいったときには、自分はこれだという武器、ちゃんとした専門性を身につけてほしいです。修士論文は自分の武器になると思います。自分の武器をそのまま仕事にすることは確率的にほぼないかもしれませんが、自分の実績として言えるものは研究室の活動でつくることができると思います。自分が何に興味があって、どういう専門性を持っていきたいのかということを考え、実績として積み上げて欲しいです。また、人数が増えてきたこともあり、それぞれの専門性が多様であってほしいと思います。それぞれの考え方、興味も異なると思うので、自分の興味に合わせて自分の専門性を身につけてほしいです。私のやっていることとちょっと違うところがあったとしても、それはそれでいいと思うし、もっと自由さ、クリエイティビティ、主体性をもってほしいです。
 論文やプロジェクト等いろいろやることはありますが、それ以外にも、いろんなまちを見に行ったり、セミナーへの参加、社会実験の見学等もしてほしいです。主体的に学ぶということは大学や研究の中にあることだけではないため、自分で知的好奇心を持って外に出向いて、都市を楽しむということも合わせてやってほしいです。また、ぜひ外に出向いて得た経験を見える化して報告してほしいと思っています。
 最後にゼミ生には雑談力を身につけてほしいです。研究テーマについて真面目に語るだけでなく、都市的雑談として自由さを持った都市の雑談ができるように、日頃のインプットも頑張ってほしいです。

4.今年度の目標

Q.2024年度、都市計画研究室(泉山ゼミ)としての目標を教えてください。

A.1つとして学内の賞(桜建賞、吉田鉄郎賞)を狙って頑張ってほしいです。また、学会の審査付き論文を出し、みんなで北九州に行くことが目標です。全員は難しいかもしれませんが、通った人たちみんなと北九州に行って楽しみたいと思っています。また、2024年度は2023年度に比べて人数も増えているため、人数が多いことで大変なこともあると思いますが、ゼミ長を筆頭にチームとして結束力を持って欲しいです。人数が多くても結束力があることは研究室として大事だと思います。また、数が多いからこそのパワーを研究室として生かしていきたいと思っています。

5.まとめ

Q.最後にインタビューのまとめとして2024年度ゼミ生に向けてひとことお願いします。

A.やることは多いかもしれませんが、”大変”を選択し大きく変わっていってほしいです。やった分だけ自分の成長につながり、自分の経験につながるため、忙しいというところを超えて楽しむぐらいの気持ちでやってほしいと思います。何事も面白がってやれるコンディションになることで、モチベーションが高く、いろんなことの質が高くアウトプットできるようになり、みなさんの成長につながっていくのではないかと思います。

                ”都市で学び、都市で楽しみたい”

学ぶことはたくさん取り組んでいると思いますが、もっと都市を楽しむことをやってほしいと思います。


おわりに

 今回のマガジンでは2024年度の研究室活動に向けて泉山先生にお話を伺いました。
 ゼミマインドの詳細についても伺うことができ、ゼミ生は改めてゼミマインドに関して確認する機会となったのではないでしょうか。
 新体制となり、学部4年生の人数も多くなりました。また、新しい会議体制での活動やOB・OGを呼んだ論文発表会の検討なども行われており、都市計画研究室(泉山ゼミ)は人数の面でも、活動の面でも、さらにパワーアップしていきます。
 私たち都市計画研究室(泉山ゼミ)のゼミ生もこのインタビューでの先生の言葉を今一度心に留めて、2024年度の研究室活動に励んでいきます!
 今後の活動もHPやInstagramで発信していきますのでご期待ください!
                                      文責:阿部真実、本田薫子

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