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キャリアデザイン2025ー都市に携わる仕事ー

はじめに
学内では、研究室配属が近づき、研究室や将来のキャリアを本格的に考え始める学部3年生も多いのではないでしょうか。
2025年度8月号では、都市計画研究室(泉山ゼミ)の博士前期課程2年生(以下、M2)のみなさんに協力いただき、就職先での仕事内容や自身の描くキャリアについて話し合う「キャリア座談会」を開催し、その様子をマガジンで紹介いたします!
※こちらから2023年度・2024年度のインタビューをご覧いただけます。
Q:まず、皆さんが内定をもらった職種と仕事内容について教えてください。
Aさん:住宅公社
私は、住環境事業を行う公社に内定をもらいました。団地の改修や設計が主な業務で、広範囲な団地の計画を行う仕事です。
Bさん:ハウスメーカー
私は、ハウスメーカーに内定をもらいました。顧客からいただいた意見を住宅の設計に落とし込むという仕事です。
Cさん:エリアマネジメント団体
私は、内定をもらっているわけではありませんが、週1のペースでエリアマネジメント団体の定例会議や企画に参加して実務の勉強をしています。将来的には、1つのまちに根付いて、エリアマネジメントの実践経験を積み重ねたいと考えています。
Dさん:建設コンサルタント
私は、建設コンサルタントの会社に内定をいただきました。部署はまだ決まっていませんが、公園の計画づくりから、運営まで携わる部署を希望しています。
Eさん:ランドスケープデザインorまちづくりコンサルタント
私は、ランドスケープデザインを行う会社やまちづくりコンサルタントに就職し、ハード・ソフトに関わらず、パブリックスペースのデザインを行いたいと考えています。
Fさん:ゼネコン都市開発部
私は、ゼネコンの都市開発部から内定をいただきました。市街地開発事業やPFI・PPP事業、民間大型開発事業など、幅広い都市開発業務に携わることができます。
Gさん:建設コンサルタント
私は、建設コンサルタントの会社に内定をいただきました。都市計画マスタープラン等の上位計画や土地区画整理事業に携わる会社です。
Hさん:建設コンサルタント
私は、建設コンサルタントの会社に内定をいただきました。具体的に何をするかは、これから配属される部署によって異なりますが、交通系を行う部署と都市再生を行う部署、駅前広場の設計などを行う部署が存在します。
Q:職種を選んだ時期とその理由を教えてください。
Fさん:ゼネコン都市開発部
選んだのは学部4年生(以下、B4)の頃です。当時、ゼネコン都市開発を受けていた博士前期課程1年生(以下、M1)の先輩の話がきっかけで関心を持ち、自分がM1になってからOB訪問や説明会を重ねる中で「この職種(ゼネコン都市開発部)で働きたい」と確信しました。
Hさん:建設コンサルタント
私が現在の職種に興味を持ち始めたのは、B4の3月です。ちょうどそのタイミングで、建設コンサルタントのアルバイトを始めました。そのときには、ある程度、建設コンサルタントに就職したいという気持ちがありました。
興味を持ったきっかけは、日本と海外の景観や街のつくられ方の違いが人の活動に影響を与えていると知ったときでした。そこで、人の活動を上手くコントロールできる立場を考えた際に、建設コンサルタントならできると思ったからです。
Q:専門アルバイトではどのような業務を行いましたか?
Fさん:ゼネコン都市開発部
Hさんみたいに、専門アルバイトを行った上でそこの職種を志望する人もいれば、この職種は自分がやりたいことと少し違うかなと感じる人もいると思うから、自分のキャリアを考えていく上での判断材料にもなるよね!
Hさん:建設コンサルタント
コンサルタントは、会社によって得意分野など、色が違うイメージがあります。何の分野が強いかなど。業界内での個々の会社の強みを把握する意味でも、専門アルバイトはオススメです。また、他の建設・都市計画コンサルタントのアルバイトに行っている同期から話を聞くのも良いと思います!
Q:都市系アルバイトの経験がある方はどれくらいいらっしゃいますか?
(6人挙手)
Q:いつ頃から始めましたか?
Dさん:建設コンサルタント
私が一番早くて、学部3年生の1月頃から始めました!他の同期はB4になった頃に始めたと思います。
Q:就活において、都市計画研究室(泉山ゼミ)での経験が活きたという場面はありましたか?
Cさん:エリアマネジメント団体
就活の面接では、都市計画研究室(泉山ゼミ)で培った瞬発力が活きたと感じます。
Hさん:建設コンサルタント
定期的に行われる研究室会議にて、研究発表に対する質疑応答の時間があるので、瞬発力が確実に培われているよね。
複数人でワークショップをする機会が就活でもありますが、そういった状況になったときに、プロジェクトの経験が活きていると感じます。例えば、民間企業の方と一緒にプロジェクトを行うときに、どう組織をまとめていくか考えながら行っていたので、その経験がグループワーク等で活かせたと感じます。
Gさん:建設コンサルタント
私は、プロジェクトやコンペなどで、必要な資料の作成スキルが身についたと考えます。プロジェクトの活動をまとめたり、コンペのプレゼンボードで自分たちの考えをまとめる作業をしたことで、自分のやってきたこと、考えていることを相手に伝わるようにアウトプットする力が身についたと思います。
Q:都市系のアルバイト以外に在学中にやっておいた方が良いことはありますか?
Cさん:エリアマネジメント団体
私は、映画鑑賞やゲームが趣味で、都市計画の引き出しと自分の趣味の引き出しを連動させるということをやっていました。
Q:具体的には、映画やゲームのどういったところを都市と結び付けて考えていましたか?
Cさん:エリアマネジメント団体
そうですね。ヒーロー映画を観た時に、まちのどの部分が破壊されたのかを調べたり、ゲームに登場する都市が現実のどの都市を参考にしているのかを考察したりしています。これをやると楽しく自動的に知識が増えていきました。
就活を行ううえでも、自分の趣味や頑張ってきたことを問われる場面がありますが、その趣味や頑張ってきたことが、どのように自分の分野や興味、能力と連動しているかまで話せるとより良いと思います。
Fさん:ゼネコン都市開発部
確かにとても大切なことだと思います。就活をしていて感じたのは、研究室の活動だけでなく、それ以外で自分が何をやってきたかを語るのも重要であるということです。専門分野を真面目に突き進むだけでなく、他のことに目を向けるのも大事だと感じました。
Cさん:エリアマネジメント団体
自分がやってきた活動に、どれだけ自信をもって話せるかということが大事ですね。
Aさん:不動産関係(住環境事業)
私は色々な業種をみることが大切だと感じました。
今までの大学院の先輩の傾向として、建設コンサルタントやゼネコンを就職先に選ぶ傾向にあったと思います。元々知ってはいましたが、鉄道系の会社だったり、エリアマネジメント団体だったりと、まちに関わる職種が色々あるということを、就活をしていくうちに、改めて認識することができました。そのため、自身のキャリアを考える際に視野を狭めずに見ることが大切だと思います。
Q:最初に希望していた職種から変更はありましたか?きっかけも合わせて教えて下さい。
Dさん:建設コンサルタント
最初に希望していた職種から変更はありませんでしたが、仕事内容に対する考えが変わりました。自分は、最初からコンサルを志望していましたが、研究を進めるうちに「紙の提案だけでは現場感が育たない」と感じ、運営に近い仕事も視野に入れました。そのため、最終的に、コンサル業務と現場運営の両方に関われる会社を選びました。この経験から、志望業種を見る際には、当事者以外の視点も必要であると感じました。
Eさん:ランドスケープデザインorまちづくりコンサルタント
学部時代には、建築設計に力を入れていたことから、M1のインターンでは、計画のみでなく設計にも携われるような組織設計事務所に応募しました。しかし、元々自分がボトムアップの研究を進めていたことから、インターン先での業務内容と自分の関心や経験との間に、強いギャップを感じて、本当に自分がやりたい仕事は、組織設計事務所でできることなのかと考え直すきっかけとなりました。インターン先の業務では、お金になるような仕事を優先的に進めたり、敷地内の建築について多くの時間を費やし、敷地外とのつながりについては、あまり考えられていないという印象を受けました。これらの経験を踏まえ、自分の希望していた職種を見つめ直すきっかけとなりました。
Q:就職した後に思い描く自分の将来像を教えてください。
Cさん:エリアマネジメント団体
最終的には、実家の製造業を継ぎたいと考えていますが、地元に戻ったときに、自分の研究を活かしたエリアマネジメント団体を設立したいと考えています。
Fさん:ゼネコン都市開発部
地元を盛り上げたいという気持ちが強いんだね!
Eさん:ランドスケープデザインorまちづくりコンサルタント
私は、施工管理技士の資格、学部での建築設計、大学院での都市計画と、企画から施工まで学んできました。そのような経験を活かして、将来は、特定の地域に長く関わり、地域の人から愛されるような「なんでもできる人」になりたいと考えています。そのために、まずは、ランドスケープデザインを行う会社やまちづくりコンサルタントの仕事を通して、多様な人々に利用されるパブリックスペースを作るという経験を積みたいと考えています。やがてはその経験を活かし、地域の人から愛されるような居心地の良い空間を作り上げ、特定の地域のまちづくりに貢献したいと考えています。
Dさん:建設コンサルタント
私の将来像は、公園管理や施設運営の現場とコンサルの両方の視点から都市に関わっていくことです。会社で現場に入って、現場の課題や実際の進行などを学び、その知識を持った状態で、建設コンサルタントの業務を行うことで、現場を知っているからこそできる計画に繋がると思います。
Hさん:建設コンサルタント
私も似てますね。現場の課題感や直面している問題を文面や地図から見るよりも、実際に現場に行って、現場を知った上で、計画策定やコンサル業務に取り組みたいですね。

後輩へのメッセージ
Fさん:ゼネコン開発部
就活の期間は半年から1年と短いですが、今後の人生を大きく左右するとともに、自身のキャリアについて、見つめ直す機会でもあります。そのため、目先の就職だけでなく、何十年も経った後に自分がどうなっていたいかを想像しながら、就活を進めていくことが大切です。
Hさん:建設コンサルタント
一番大切なのはコミュニケーションです。OB訪問などももちろん大切ですが、学生同士の情報共有も大切です。自分が行けなかった説明会の内容も友達に聞くことでその会社について、分かることもあります。自分の手持ちを増やすためにも、みんなで情報共有をしていくことが大切です。
おわりに
今回のマガジンでは、M2のみなさんに進路の志望理由や就職活動のスケジュール、今後の目標等、就職活動の経験談に加え、先輩方の進路の決め方や将来像など、都市に携わる人々がどのようなキャリアを考えているのか伺いました。
今回開催した「キャリア座談会」の内容が、皆さんのキャリアを検討する際の参考となれば幸いです。
文責:及川瞭太、柚﨑廉太朗





